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| 『砂漠の思想』から | ||
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こよみさんがお探しの小文は「人間的ということ」(『砂漠の思想』講談社文芸文庫 151頁)ですね。 人間的とされるよろこびや悲しみは自分の肉体とその周辺の変化と脱落に対してだけおこる生物学的な反射にすぎないものであって、肉親や恋人を喪失したかなしみは自分の毛を切られた犬の悲しみとかわらぬ原始的感情でありそれを人間的などという必要はないと書いてあります。ウェットさを嫌う『砂漠の思想』ですね。ただしこれは誇張された科学主義といった感じで、あくまで安部の思想の一面を表わしているにすぎないと思います。例えば『砂の女』のことを思い起こせばよいでしょう。 閑話休題。 『赤い繭』に近いのはむしろ143頁の「屋根の上で死んだ犬」ではないでしょうか。「自由というものは、どこか遠くのちがった場所になどあるものではなく、あくまでも自分をつくり上げてくれた、その環境の中からだけ発見できるものなのだ。」 安部の作品を横断的に読むといろいろ発見できそうですね。
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Re:『砂漠の思想』から | ||
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