第23巻
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コメント
- 小説を生む発想ー『箱男』について[講演]
- アレン, 2000/03/31
小説をどのように作っていくか。安部の場合、決められたプランに沿って作るのではなく、作りながら分かっていくことが多いという。『箱男』の制作過程を知る上で興味深いものがある。しかし、安部が浮浪者の中に実際の箱男を見たという話は驚きだ。なお、当時の講演題目は、「現代乞食考」という、今では非難を浴びそうなものだった。
- 共同体幻想を否定する文学 古林尚[対談]
- アレン, 2000/03/31
安部の満州時代・共産党員時代の話が詳しくされていて面白い。また、安部自身が作品の制作過程・評価の話をしているので、一読の価値がある。ところで、安部の終戦間際の渡満は、本土で一億玉砕になるよりかは、友人(恐らく、金山氏のことだろう)と一緒に満州で匪賊になる方がましと考えてのことだと言っている。
また、古林氏によると、『バベルの塔の狸』は、当時共産党批判とも捉えられていたようだ。党員時代の作品だから、安部はそのような意図を否定している。今の人がカルトと捉えるように、バベルの塔には一種の理想的閉鎖共同体のイメージがあるようだ。
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