第6巻

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紫色の波線

新しい世界の冒険[エッセイ]: アレン, 2001/10/21
　これは、かつて読売新聞において<原子力時代の芸術>と題された文化面特集があったときに、他の学者・評論家らと共に、安部が寄稿したものである。
　機械文明と人間とのギャップは、古くて今なお新しい問題だろう。この問題に対して、冒険・開拓時代に人類がたずさえていた銃とマストの代わりに、新たに思想と方法をたずさえ、芸術家は新しい”非芸術の世界”に進撃しなければならないと安部は諭している。ともすれば悲観論になりかねない機械文明と人間とのギャップの問題に対して、ギャップを新天地に見立てて開拓していこうというたくましい精神と本当に実行した安部の才能には、感嘆するほかはない。