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安部公房を語ろう
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飛躍して、権力や規範や制度や手続のこと
Icon しん - 投稿日時:2003年11月16日 22時45分14秒
>アレンさん
「はじめまして/赤い繭」のレス有難うございました。
ーーー引用開始ーーー
なお、「警官」という記述は作品中にでてこず、「棍棒をもった彼」と書かれています。
ーーー引用終了ーーー
そうでした。テキストを持たず、うろ覚えと高校時分の考えで書いたので、頭の中で勝手に「警官」になっておりました。

作家自身が何者のつもりで「彼」を作り上げたかは知れませんが、私は「彼」を警官だと思って読みました。公園で棍棒を持って、個人的には何の関係もないであろう「おれ」に向かって、ここは公共の場所だからお前が留まる場所でない云々と物申す「彼」は“一般に社会規範を強制する権能を認められた者”(=警官)だろう、と。
私が先立って勝手に「警官」という誤った記憶を何の躊躇も疑いも無く書いたのは、恐らく、安部公房の作品に“国家的な権力者”或は“社会規範の強制者”が警官や役人、法廷などの形を得て数多く登場するからではないか、と省みております。

蛇足ながら、安部公房という人は、“社会的な手続”というものに強い関心(この語用は適切でしょうか)を持っているようで、「壁」の法廷の記述、「耳の値段」の簡易交通傷害保険自動販売機や「砂の女」の最後の失踪宣告書面など、“手続”に関しては(登場人物の無名性に比して、そして、場合によってはストーリーの要求する以上に)ディテールに拘っている様子がとても興味深く思われます。

それは、規範や手続きといったもののもつ味気無さに見出した滑稽さではなかったかと。写真や演劇にも一つの軸を有する視覚的な人が感じた滑稽さの表れが、「砂の女」の最後に、文章としてではなく書式として提示される失踪宣告の事実だったのではないか、と。(何の論拠も無い、ただの一読者の感覚・推量です)

以上、レスとしては内容が飛躍しすぎたため、新規書込みとして投稿いたします。

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Re:飛躍して、権力や規範や制度や手続のこと
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